うつ病講座

ニート君とマップ博士のうつ病講座-第11回「確認テストPart2-テストの続き & 自動思考と認知の補足」

2017/05/26

~ 勝手にスペシャルサンクストゥ網野衛二先生 3分間 NetWorking ~

 

【登場人物】

マップ博士(はかせ)

メンタルヘルス分野にやたら詳しいオタク。

博士は自称。

精神疾患全分野の地図を作成するという野望を抱く。

毒舌家。

 

ニート君(ニート)

高校時代に色々あり、ひきこもる。

アニメ・ゲーム、オタク。

社会復帰をするため、博士の講座を受ける。

いじめられっ子。

 

 

確認テスト2日目、スタート

はかせ
確認テスト、中盤戦!
ニート
どど~ん!! 

 

はかせ
ではさっそくいくぞ。

中盤からは講義では使わなかった言葉も交えた、応用問題を出す。

が、本質を理解していれば恐るるに足らん。

ニート
はい!

 

ニート君、応用問題はまだ難しいようです

はかせ
【第六問】

個人にとって負担となるような出来事により、引き起こされた変化・状態の総称をなんというか?

ニート
あの~。

なんのことやら、さっぱりなんですけど。

 

はかせ
だよな、わるいわるい。

ではヒントだ。

第4回目の講座だったな、

「カメハメ波でダメージを食らった状態」

と説明したぞ。

これを【第六問】の問題に当てはめると、

個人の負担となるような出来事(=カメハメ波)により、

引き起こされた変化・状態(=ダメージを食らった状態)の総称、

となる。

ニート
ああ!えーと...

ストレスだ! 

はかせ
正解。

同じく、第4回目の講座で「私がいった悪口」に対してキミが受けたダメージ、あれもストレスだ。

ニート
ずいぶん前の講義だから忘れかけてますね。

よく復習しておきます。

 

はかせ
ではつぎの問題行くぞー。
ニート
うす。

 

「ストレス」と「ストレッサー」は、機械工学の用語です

はかせ
【第七問】

個人にとって負担となるような出来事をなんというか?

さっきの「ストレス」を引き起こすもとだな。

ニート
ストレッサー!

 

はかせ
正解。

余談だが、このストレスとストレッサー、もともとは機械工学の分野で使われていた用語なんだ

ニート
へー!

精神医学の用語かと思ってました。

 

はかせ
うむ、私もはじめはそう思っていた。

講座の第一回で少し話したが、

ボールのような物体をゆがませる要因(例えば指で押す)をストレッサー、

そのストレッサーでゆがんだ状態をストレス、

というのがもともとの意味だな。

それをメンタルヘルスの分野に持ってきて使っているわけだ。

ストレスとストレッサーの説明をする時、たまにこの話からはじめる人もいるから注意すること。

ニート
はーい。

 

第八問も無事正解

はかせ
【第八問】

同じ物事でも、人によって、また時と場合によってとらえ方が異なる。

このことを「xx」の違いという。

ニート
「認知」の違いという、ですね。

 

はかせ
正解。

ここで「認知」と「自動思考」について少し補足をしておこう。

 

「認知」と「自動思考」の補足

はかせ
以前「認知」の講義で「自動思考」について話したのを覚えてるか?
ニート
じどうしこう?

あぁ!

「ギラでダメージを受けた瞬間、どんな気分になるか?」

っていってたやつですね。

(※詳細は「第5回講座」をご参照ください)

はかせ
そう、それだ。

「自動思考」とは、言ってみれば認知の一部みたいなもんだ。

 

ニート
認知の一部??

えーと、つまり「自動思考」と「認知」は同じものってことですか?

 

はかせ
そうだな、だいたい同じだ。
ニート
「だいたい」って。

なんかすっきりしないなー。

 

はかせ
お!疑問が残るか、いい傾向だ。

その疑問を解消したいという欲求が、学習意欲ってやつだからな。

ではニート君の学習意欲を満たすために、「自動思考」と「認知」の違いについて説明するか。

ニート
はい。

あ、でもできれば簡単にお願いします。

 

人間は必ず「得」か「損」かを考える

はかせ
うむ、善処する。

人間は何かを目にした時、まずはじめに

「それが自分にとって「得」になるものか「損」になるものか?」

ということを必ず考える。

ニート
「必ず」って、ぼくは普段そんなこと考えてないですよ。

 

はかせ
そんなことはない。

人間は「死なないため」に必ず「得か、損か?」かを考える。

食べ物を見て「得」になるものと考えなければ、いずれは餓死するし、

襲い掛かってくるライオンを見て「損」になるものと考えなければ、食い殺されるからな。

食べ物やライオンに限らず、あらゆるものの損得の見落としは、死に直結する。

ニート
見落としコワッ!

確かに言ってることは分かります。

でもやっぱり、ぼくは「いつでも、必ず」得や損を意識して考えていませんよ。

 

すべてを意識的に考えるのは大変。無意識に考える脳の機能

はかせ
そう!

すべての物事に対していつも、意識的に「損得」を考えることなど不可能だ。

でも考えないと死んでしまう。

そのため人間の脳は、何度も経験した物事については、「無意識」に損得を考える機能が備わっている。

ニート
マジっすか?!すごいですね、人間の脳!!

そんな機能はじめて聞きましたよ。

 

はかせ
いや、キミも聞いたことがある機能だ。

「自動思考」

それがこの機能の名前だ。

自動思考の「自動」とは、「勝手に」というより「無意識に」という意味に近いからな。

ニート
おおー!自動思考!!

超たいせつですね。

 

考えた後は、判断する

はかせ
その通り、超たいせつだ。

そしてこの「無意識に得か損か?」を考えたあとは、必ず「得である」もしくは「損である」という判断をする。

この「判断」のことを

「認知」

という。

ニート
なるほどー!

無意識に損得を考えることが「自動思考」で、考えた結果を判断するのが「認知」

 

別々には機能しません

はかせ
そうだ。

ただし、今は説明を分かりやすくするために「自動思考」と「認知」を分けているが、実際には一つのものだ。

「自動思考」だけをおこなって「認知」はおこなわない、などということはないからな。

 

ニート
確かに。

ライオンに襲われたら絶対「ヤバい」っていう「損の判断」をしますからね。

実際には一つのものだから「自動思考と認知はだいたい同じ」ってことになるんですね。

 

はかせ
そういうことだ。

普段「自動思考」という言葉を使えば、そこには「認知」も含まれているし、

「認知」という言葉を使えば、「自動思考」も含まれている。

どちらに重点を置くかで使い分けている、と考えておけば問題ない。

ニート
りょーかいです!

 

自動思考の作り方

ニート
ところではかせ。

人によって認知が異なるってことは、人によって自動思考が異なるってことですよね?

はかせ
そうだな。

 

ニート
どうして人によって異なるんですか?
はかせ
人によって自動思考の作られ方が異なるからだ。
ニート
作られ方?

自動思考に作り方があるんですか?

 

はかせ
もちろんある。

自動思考とは「同じ思考を繰り返すこと」によって作られる。

ニート
繰り返す、ですか。

例えばどんな感じで?

 

はかせ、ニート君のお父さんになる

はかせ
そうだな。

例えば、私がキミのお父さんだったとしよう。

ニート
えー、はかせがぼくのお父さんですかー。

いろいろめんどくさそう(ボソッ)

はかせ
何か言ったか?
ニート
いえ...

 

お父さんは、お手伝いをするとお小遣いをくれる

はかせ
この素敵なお父さんは、ニート少年がお手伝いをすると、必ずほめてくれて必ずお小遣いをくれる、優しいお父さんだ。

さて、このような素晴らしいお父さんのもとで育ったニート少年はどんな行動を取る?

ニート
そりゃー、たくさんお手伝いをしますよ。
はかせ
どうしてそう思う?
ニート
だって、お手伝いすれば必ずほめてもらえるし、必ずお小遣いももらえるし。

 

はかせ
そうだな。

ちなみにほめられたり、お小遣いをもらえた時、どんな気分になる。

ニート
うれしいです。

 

「うれしい」をたくさんもらおう

はかせ
そういうことだ。

つまりニート少年は

「お手伝いをするとうれしいをもらえる」

ということになる。

ところでニート君、うれしい(ほめられる・お小遣い)はたくさん欲しいよな。

たくさんもらうにはどうすればいい?

ニート
たくさんお手伝いをする!
はかせ
そうだな。ほかには?

 

ニート
ほかですか?

う~ん...あ!

毎日お手伝いをする!!

はかせ
うむ、金をもらえるなら毎日たくさんお手伝いをする。

実に欲望に忠実な子どもだな。

ニート
...金で子どもを釣る大人に言われたくありません。

 

はかせ
それはともかく。

こうしてニート少年はうれしいが欲しいので、毎日たくさんお手伝いをするようになる。

そしてその度に、お父さんである私は、必ずうれしい(ほめられる・お小遣い)を与える。

「必ず」な。

ニート
なんだかぼく、お手伝いの達人になりそう。

 

ある日突然やってくる。お小遣いをもらえない日

はかせ
ところがある日突然、ニート君がお手伝いをしたのに、お父さんはほめてくれないし、お小遣いもくれなくなった。
ニート
えー!なんでー?!

ずるいよ、お父さん!!

はかせ
そう、ずるい、理不尽だと思うよな。

だがなぜそう思う。

ニート
だって、お手伝いをすれば、いつもうれしいをもらえてたもん。

 

自動思考は「同じ思考を繰り返すこと」で作られる

はかせ
そう!

「お手伝いをすれば、いつもうれしいをもらえる」

ということが瞬時に頭に思い浮かぶ思考回路、これが「自動思考」だ。

自動思考は、

同じ思考(=お手伝いをすればうれしいをもらえる)を

繰り返すこと(=毎日、必ず)

によって作られる。

 

ニート
そんなことよりお小遣いちょうだい、お父さーん。
はかせ
...めんどくさいな、こいつ。

おい、親子ごっこはおわりだ。

手伝いするたびに金なんぞもらっていたら、ロクでもない自動思考を持った子どもになるぞ。

 

現金な自動思考

ニート
え?!なんでですか??

すすんで毎日たくさんお手伝いをする、いい子じゃないですか。

はかせ
相変わらず単純なおつむだな。

「お手伝いをすれば、うれしい(ほめられる・お小遣い)をもらえる」

とは、裏を返せば

「うれしい(ほめられる・お小遣い)がもらえないなら、お手伝いをしない」

ということだ。

もし自分に子どもができて、そんな自動思考を持っていたらどうだ?

ニート
あー、さすがにそれはイヤですね。

 

うつ病予備軍の自動思考

はかせ
だろ?

ちなみに私の親は、

「お手伝いをしたらお小遣いをくれる」

という約束をするが、お手伝いが終わったあと、お小遣いをくれることはなかった。

ニート
ずるーい!
はかせ
それどころか、ようやく掃除が終わった途端に

「子どものうちからお金なんてもらったらダメな人間になる」

という、ありがたいお説教をくれるタイプの人間だったな。

 

ニート
ん?そうなると、はかせの自動思考は

「お手伝いをすると、約束のお小遣いはもらえず、お説教をくらう」

という自動思考?

はかせ
そうだな。

こういうタイプの親のもとでは、だいたい

「なにをやっても報われない」

という自動思考を持った子どもが育つ。

典型的なうつ病予備軍だな。

ニート
うっわー...

 

地獄の自動思考

はかせ
さらに幼少期から日常的に虐待・暴力を受けている子どもなどは

「生きているだけで苦痛を受ける」

まさに地獄の自動思考だ。

ニート
...親って責任重大ですね。

 

子育ての理想と現実

はかせ
まぁな。

ただ親も人間だ、完璧な子育てなどできはしない。

失敗するのが当たり前と考えて、

「子どもが自分を害するような自動思考を持たないよう、なるべく気をつける」

というのが現実的だな。

ニート
へー、そんなもんなんですか。

 

はかせ
そんなもんだ。

実際私も子育てで気をつけていることといえば

「暴力をふるわない」と「約束を破らない」

くらいだ。

それ以外はかなり適当だぞ。

ニート
って、はかせ!子どもいるんですか?!
はかせ
あぁ、いるぞ。

まぁ、そのあたりの話になると長くなるからな。

テストの続きもあるから、今日はこの辺にしておくか。

ではニート君、今日のまとめだ。

ニート
はい。

 

 

まとめ

ニート君の「今日のまとめ」

 

参考資料

『Road to Node』 - 「3分間NetWorking」

 

『文部科学省』 - 「第2章 心のケア 各論」

 

 

『メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト II種 ラインケアコース』

 

 

~ 勝手にスペシャルサンクストゥ網野衛二先生 3分間 NetWorking ~

geralt / Pixabay

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