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「HUNTER×HUNTER」の続きを読む方法。休載の原因と連載再開のためにできること。

2017/05/30

「HUNTER×HUNTERの続きが読みたい!すごく読みたい!!」

日々そう思って過ごしていますが、ある時ふと思いました。

「それならどうすれば読めるようになるか考えればいいじゃん。おれ達ができることってなんかあるんじゃね?」

考えてみたことをつづってみます。

冨樫先生はおそらく「うつ病」である。だから描けない

正確には「双極性障害Ⅱ型」ではないかと。

私が双極性障害Ⅱ型なもので。

同じにおいを感じます。

 

双極性障害とは

いわゆる「躁うつ病」です。

躁(そう)の時はやたらと楽しくなり、うつの時はすごく落ちこみます。

で、この双極性障害、「Ⅰ型」と「Ⅱ型」という2種類あるんです。

 

双極性障害Ⅰ型

躁の波とうつの波が、交互に訪れます。

(波 = 気分の高揚・気分の落ち込み)

波の揺れ幅はどちらも大きく、わりと定期的なのが特徴です。

 

また、躁の時の気分の高揚が尋常じゃないです。

私自身は双極性障害Ⅱ型(Ⅰ型より高揚勘が少ない)なので、Ⅰ型の躁の状態は正確には分かりません。

ただ、躁の状態の時にかなりの量のお酒を飲んだ経験があります。

(※絶対にまねしないでください。その後、何日も地獄のうつに苦しみます)

 

すごかったです。

「万能感」

この言葉がぴったりです。

「できいないことは何もない。恐いものは何もない。もしかしたら道に飛び出して車にぶつかっても、痛くないし死なないんじゃね?」

そのくらいヤバいです。

たぶんこの状態がⅠ型の躁の状態に近いのではないかと思います。

周囲に迷惑をかけたり、自分を傷つける恐れがある場合には、入院が必要な場合もあります。

 

双極性障害Ⅱ型

ほとんどがうつの状態で、たまーに躁の波がきます。

Ⅰ型に比べると躁の揺れ幅は小さく(「軽躁(けいそう)」といいます)、躁がくる時期が不定期で予測しづらいです。

躁の時期が短く見逃されやすいため、うつ病と診断された後、しばらくして双極性障害Ⅱ型と診断が変更されることがよくあります。

 

Ⅱ型の躁はⅠ型に比べれば軽いですが、それでも正常とは言えない状態です。

無駄にエネルギーがみなぎってくる、そんな感じです。

 

ろくに寝てないのに早朝に目が覚めて、やりたいことがガンガン頭に浮かぶ。

集中力も異様に高まり、すごくクオリティの高いものを作っちゃったりします。

また、やたらと社交的になり、よく知らない人にまで話しかけたり。

自分が偉くなった気分になり、「おれが他人のために何かしてあげなければいけない」と思ったり。

体の不調や空腹も気にならなくなり、遊びに出歩くことが増えます。

 

心身が消耗しているのに、それを自覚できないんです。

エネルギーを使い切るまで4日間~長くて1 or 2ヶ月程度。

その後、うつの状態になり(「うつ転」といいます)、数ヶ月~年単位の長いうつの時期に突入します。

 

冨樫先生の場合。軽躁 → 連載、うつ → 休載

冨樫先生が本当に双極性障害Ⅱ型かどうか?

 

これは精神科医にしか分かりません。

ただ、双極性障害Ⅱ型であると考えると、冨樫先生の行動すべてが納得できるんです。

 

まず短い連載と不定期な長い休載の期間。

これはまさに双極性障害Ⅱ型の、軽躁とうつの期間に一致します。

やる気が出る軽躁の期間にマンガを描いて、うつの状態に転じると休載に入る。

 

次に異様なまでに高い作画。

休載明けにいきなり緻密すぎる絵が出てくる時ありますよね。

↓例えば、これ。

((C)冨樫義博/集英社/『HUNTER×HUNTER』33巻 P81~82より引用)

 

アシスタントもなく、一人でこれを描くって尋常じゃないです。

しかもこれって連載中のわずか2ページ。

もちろんこのほかに何ページも原稿を描いているわけです。

明らかに軽躁特有の過集中の成せるわざ。

心身の消耗に気付けず、ガンガンいっちゃってる状態です。

 

そして、体調が悪いというわりには、活動的という件。

パーティーに出席してたり、地元山形や他のアーティストのためにイラストを描いたり。

これも「不調が気にならなくなる」「急に社交的になる」「人の役に立つことをしたくなる」といった軽躁の特徴と一致します。

また軽躁では気が大きくなり、一時的に周囲の批判も怖くなくなります。

普通であれば人目を気にしてできなかったり、こっそりやることを、あまり気にせずやってしまう。

このあたりも双極性障害Ⅱ型の特徴によくあてはまります。

 

冨樫先生は「さぼっている」のでなく、「描きたいのに描けない」

ここまで読んで、

 

「いやいや、それってただの「さぼりの言い訳」じゃね?」

 

と考える方も多いと思います。

その意見、確かに絶対違うとは言えません。

 

でも「描くのがいやだ」というだけで、これほど長い間さぼることができるか?

できないです。

だって現状を見る限り「描かないことで食らう容赦ないバッシング」に耐える方がはるかに苦痛度は高いです。

これほどのバッシングを受けてなお「描くのがいや」であれば、普通は「休載」ではなく「描くのを辞める」はずです。

辞めても生活に困らないくらいのお金はありそうですし。

 

ではなぜ「描くのを辞めないのか?」

それは当然冨樫先生が「HUNTER×HUNTERを描きたい」からです。

そして休載が続くのは「描きたくても描けない事情があるから」と考える方が自然です。

「描けない事情」として公表されているのが「重度の腰痛」ですが、それだけでは説明のつかないことが多い。

「じゃあなんで?」と考えた時に、もっとも可能性が高いのが「双極性障害Ⅱ型」です。

「ただのさぼり」と考えるより、はるかに根拠があります。

 

「HUNTER×HUNTER」の続きを読む方法

今までの話から、冨樫先生の双極性障害Ⅱ型が治れば、私たちは「HUNTER×HUNTER」の続きが読める、ということになります。

ただ残念なことに、冨樫先生の双極性障害Ⅱ型を治すために、一読者である私たちができることはほぼありません。

それどころか、専門の精神科医ですら試行錯誤を繰り返しながら治療をすすめているのが、双極性障害をはじめとする精神疾患治療の現状です。

 

逆に一読者でも「これをやってしまうと、これから先、ずーっとHUNTER×HUNERが読めなくなる」ということはたくさんあります。

簡単に言うと、冨樫先生の症状を現状より悪化させる行為です。

現状でこれだけ休載が続いているんですから、これ以上悪化すれば描けなくなる・読めなくなるのは当然です。

 

ネットやSNSでのバッシングをやめる。今まで書いたバッシング履歴を削除する

「冨樫先生が亡くなったら「HUNTER×HUNTER」は永遠に読めない」

当たり前のことですが、真面目に考えたことのある人は、あまりいないと思います。

 

うつ病の自殺率、知ってますか?

15~25%、うつ病になった人の10人に2人は死ぬんです。

 

そして双極性障害はうつ病より自殺率が高いとされています。

躁の期間が終わる頃、躁とうつが混在する期間(「混合状態」といいます)に自殺率が高まるためです。

 

躁の状態とは「エネルギーUP + 気分UP」で絶好調です。

うつの状態とは「エネルギーDOWN + 気分DOWN」である意味、自殺する気力すら起こりません。

(それでも自殺率は15~25%です)

そして混合状態とは「エネルギーUP + 気分DOWN」です。

絶望しているのに、へたに元気があるから危ないんです。

 

双極性障害はうつ状態に加えて、この混合状態があるため、自殺率が上がります。

 

冨樫先生が双極性障害(もしくはうつ病)かどうかは精神科医でないと分かりません。

ただ、そうである可能性は十分あります。

そんな状態で現在のような冨樫バッシングが続けば、冨樫先生ほんとに死んじゃいます。

 

確かに

 

「マンガ家としての義務を果たしていないんだから、非難されて当然だ」

 

という意見は正論ですし、それを根拠にバッシングしてなにが悪い?というのも分かります。

ただ、そういった意見の人たちが

 

「冨樫先生が亡くなっても、その主張を曲げずにバッシングを続けたり・バッシング履歴を削除しないでいられるか?」

 

無理ですよね。

むしろ我先にバッシング履歴を削除するはずです。

 

でもそんなことをしても、何の意味もないんです。

だってもう死んじゃってるんですから。

冨樫先生が亡くなった後にバッシングをやめるんだったら、今やめてください。今やめるから意味があるんです。

 

もし冨樫先生が現在、双極性障害やうつ病でなかったとしても、あれほどまでの非難を受け続ければ、今後必ず精神を病みます。

むしろ病まない方が異常です。

 

そもそも医者でもない一患者である私が、他人(冨樫先生)を双極性障害だ、などと言うことはあるまじき行為です。

それでも今までのバッシングがなくなるのであれば、私の無礼などチャラになってお釣りがきます。

今、気軽に行われている冨樫非難の数々は、それほどひどく、益のないものです。

 

責任の所在がどうであれ、非難がきちんとした効果を表すのは、相手が健康な場合のみです。

そして心身ともに疲弊している相手への非難は、予想よりはるかに高い確率で相手を死に至らしめます。

 

「HUNTER×HUNTER」の続きが読めなくてイライラしている人はたくさんいると思いますが、「冨樫先生を死なせたい」と思っている人はいないはずです。

ネットやSNSでのバッシングを削除することは、永久休載を防ぐだけでなく、自己防衛でもあります。

削除作業のために時間を割く価値は十分あります。

 

応援しない。あやまらない。

「早く元気になって欲しいから、ファンレターやネットで応援したらいいんじゃないか?」

残念ながらこれも逆効果です。

 

うつとは、がんばり過ぎてエネルギーがない状態です。

その状態で「がんばれ」といわれても、燃料であるエネルギーがないのでどうしようもありません。

むしろ応援に答えられないプレッシャーで症状は悪くなるばかりです。

また躁の状態で応援されると、一時的にすごく力を発揮する場合もありますが、躁の時の高揚感が高ければ高いほど、その後のうつ状態への落ち込みがはげしくなります(「ゆりもどし」といいます)。

 

また一時期、冨樫先生がさぼりではなく重度の腰痛で寝たきりだったことを知ったファンが、SNS上でお詫びのコメントを多数掲載していましたが、「あやまる」ということもやめたほうがよいです。

あやまったところで、冨樫先生の精神状態がよくなることはありません。

むしろ「あやまるんだったら、はじめからやるなよ」といういらだちが残るだけです。

あやまって満たされるのは、非難をした当人の贖罪(しょくざい)意識のみです。

 

お詫びのコメントよりも、バッシングのコメントを削除するほうがずっと建設的です。

 

既刊の新品コミックを購入する

これまで「読めなくなることを防ぐ」ことをメインに書いてきましたが、続きを読むためにできることが一つあります。

HUNTER×HUNTERの既刊コミックを新品で買う

これがもっとも効果的で現実的な方法です。

 

精神を病んでる状態では、非難・応援・謝罪、いずれもさらに精神状態を悪化させる雑音にしかなりません。

精神を病んでいる状態では、「とにかく静かに休みたい」んです。

HUNTER×HUNTERを休載しているといっても、実際に冨樫先生は休めていません。

出版社をはじめとする関係各所からの督促やプレッシャーに加え、読者からのバッシング。

 

私たちが出版社に抗議したところで、原稿の督促は続くでしょう。

であれば、せめて読者である我々だけでも静かにしているのが賢い選択です。

 

加えて「善意を伝える方法」があれば、それがベストです。

新品のHUNTER×HUNTERのコミックを買えば、黙って善意を伝えることが可能です。

(中古では効果はありません)

 

「連載を続けない作者のために、読者がそこまでするのはおかしい」

 

確かにおかしいかもしれません。

でも私たちができることで、これ以上効果的な方法がないのも事実です。

(もしあれば、素直にその方法を知りたいとも思っています)

 

一人で何十冊も買う必要はありません。

はじめの数巻を買ってきて、職場やたまり場に置いておけば、読む人はたくさんいるでしょうし、新たに続きを買ってくる人もいるでしょう。

7巻(天空闘技場、念能力)まで置いておけば、間違いなく続きを買ってくる人が出てきます。

 

冨樫先生は「どうすればいいか?」をすでに知っている

現在の状況を打破するために冨樫先生自身がすべきこと。

他人からアドバイスを受けなくても、冨樫先生は何をすべきかは分かっています。

以前冨樫先生は、少年ジャンプの巻末に、こんなコメントを残していました。

『西の魔女が死んだ』電車で読むんじゃなかった。これこそ人目を憚らず泣きたかったのに。

(『週刊少年ジャンプ』2005年17号より引用)

 

この『西の魔女が死んだ』という小説の中で、主人公の女の子が「魔女の修行」なるものをします。

これってまさに、うつ病や双極性障害の患者が回復のためにすること、なんです。

「そうね。まず、早寝早起き。食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする」

「でも今おばあちゃんが言ったことは『体力を養う』ことで、『精神を鍛える』ことではないんじゃないの?」

「不思議ね。最初はほとんどおんなじなのね」

「そんな簡単なことで、悪魔が本当に防げるの?」

「まいは、そんな簡単なことっていいますけれど、そういう簡単なことが、まいにとってはいちばん難しいことではないかしら」

(『西の魔女が死んだ』より引用、一部省略)

 

そして冨樫先生がこの本に深い感銘を受けていることは、ジャンプの巻末コメントだけでなく、「HUNTER×HUNTER」を読んでいても分かります。

「HUNTER×HUNTER」の32巻に、「No.337◆懺悔」という回があります。

女の子になってしまったカイトのもとに、コアラ顔のキメラアントが訪れる話です。

途中で「魂」「エネルギー」「死」といった若干難解なテーマについて語られていますが、あのシーンの全ては、『西の魔女が死んだ』のメインテーマである「魂の成長と再生」を元に描かれているものです。

((C)冨樫義博/集英社/『HUNTER×HUNTER』32巻 P138より引用)

 

巻末コメントからだいぶ時間が経った後で、このシーンが描かれていることからも、冨樫先生の『西の魔女が死んだ』に対する深い思い入れがうかがえます。

これだけ思い入れのある本に書いてある「魔女の修行」のシーンを読んで、それを実行しようと思わないはずがありません。

 

ただ、実際に精神を病んで実行すると分かるのですが、この「魔女の修行」は健康な人が少し病んだ時や、病んでいた人がある程度回復した時であれば実行できるものなんです。

直近のジャンプ巻末コメントを見る限り、現在の冨樫先生は絶不調の状態から、「魔女の修行」を実行できる状態になるための、治療やリバビリを行なっている段階です。

※各コメント冒頭の数字は掲載号

20:便座や椅子に座れる幸せ。体も偉いもんで寝たきりの時はウ○コも出ない。

21・22:寝たきり→第3匍匐→ハイハイ→つかまり立ちを経て病院へ

23:腰痛の辛いのは病院に行けるのがある程度回復した後な事

24:10段階で10の痛みの時は一晩中1cmたりとも体を動かせてない

25:診察の結果、手術は回避。重症の人の辛さ察して余りある。

26:医者の勧めで減量開始。発症しなかった30代65kgを目指す。

27:14年夏時点で84kg。炭水化物を制限して2ヶ月で6kg落ちる

28:食事制限を緩め運動を加える。早歩き50mも保たずショック。

29:20代では出来たうつ伏せでの執筆が体が硬くなって出来ない。

30:ストレッチ。トレーナーの手本を見て自信の異常さを再確認。

31:1km10分ベース体重73kgの頃、長時間の座り作業が可能に。

(『週刊少年ジャンプ』2016年各号より引用)

 

すでに本人が回復に向けて行動している状態で、まわりが「回復のためのアドバイス」の口を挟んでも、本人の気を削ぐだけです。

逆にこのような状況では「黙って理解してもらえる」ことほどありがたいことはありません。

 

さまざまな憶測によるゴシップが飛び交う中、『西の魔女が死んだ』は冨樫先生の現状、そして「HUNTER×HUNTER」を理解する上での「信頼性の高い情報源」です。

もちろん情報源としてだけでなく、小説としても名作です。

簡単で読みやすい文章なのに、非常に内容が深いです。

(宗教や精神疾患を取り扱ったものではありません)

 

「HUNTER×HUNTER」をより深く理解したい方には、ぜひ読んできただきたい一冊です。

 

まとめ

ここまで書いたことを読み返してみると、

「双極性障害の私自身を冨樫先生に重ねて擁護しているな~」

という感じが否めません。

 

ただ、それを差し引いても

  • ネットやSNSでのバッシングをやめる。今まで書いたバッシング履歴を削除する
  • 応援しない。あやまらない。
  • 既刊の新品コミックを購入する

以上のことをすることで損になることはひとつもありません。

(コミック購入の出費を損害と考える場合は、この項目を除外してください)

 

もっと簡単に言えば、「冨樫仕事しろ」とつぶやく時間があれば、過去のつぶやきを削除する。

削除するのも面倒ならばせめて黙っている。

 

たったこれだけです。

 

「何の得にもならないバッシングに、どうしても時間と労力を費やしたい」

 

心の底からそう願っている人はすごーく少数。

きっと間違いありません。

 

credit by pnppakihabara.xyz

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