就労継続支援

工賃が高い就労継続支援B型の事業所を見学してきました。うつ病で働ける場所

「就労継続支援B型事業所」とは簡単に言うと、障害を持った人が働ける場です。
身体の障害、精神の障害(含むうつ病)、どちらの障害でも利用が可能です。
(どちらかの障害に限定している事業所もあります)
 
就労継続支援はA型・B型の2つがあり、B型は事業所との間に雇用契約を結ばない形式です。
 
一般的にA型にくらべ、作業や勤怠はゆるく、もらえるお金(工賃という)も非常に少ないといわれています。
(時給にして数十円というところも多いそうです)
 
と、ここまでが就労継続支援B型についてよく説明される内容です。
 
ただ、それ以上の詳しい説明を求めても、知っている人はほとんどいませんでした。
 
そのため、実際に就労継続支援B事業所へ見学に行き、実情を詳しく調べてきました。
 
なお、事前に下記の記事を読むと、今回の内容がさらに理解しやすいと思います。
 
 
是非ご一読してみてください。
 
 

見学の事前準備:役所の福祉課へ依頼をすると、事業所見学の手配をしてもらえる

まず、役所の障害福祉課へ電話をして、
 
「就労継続支援B型事業所の見学をしたい」
 
と伝えます。
 
その後、まずはじめに役所で担当の方との簡単な面談がありました。
私が行った役所では、福祉課の保健師さんが担当としてついてくれました。
 
病状や家族構成などの簡単なヒアリングのあと、就労継続支援B型事業所の一覧を見せてもらいました。
 
所在地、業務内容などを確認し、見学に行ってみたい事業所を選びます。
 
その後、保健師さんが事業所へ連絡、アポイントメントを取り、見学に行く日程が決まりました。
 
 

見学:保健師さん同行のもと、事業所職員との面談

見学当日は担当の保健師さんが同行してくれます。
事業所最寄の駅で待ち合わせ、事業所へ向かいました。
 
事業所へ着くと、応接(というか職員の部屋)で、事業所の説明を受けました。
 
その後、私からいくつか(いや、たくさんかな)質問をしたのですが、
 
「え?そうなの」
 
というようなことが、たくさんありました。
 
なかでも工賃(もらえるお金)についての認識は、今まで聞いていたものとはかなり違っていました。
 
 

工賃、時給500円のB型事業所

就労継続支援B型といえば、その工賃の安さが必ず話題に上ります。
 
「時給にして数十円、多くて百数十円程度。その代わり仕事も勤怠もとてもゆるい」
 
大体こんな感じです。
 
このような情報から、私は週路継続支援B型支援所とは、
 
「デイケアーサービスに名目上の労働と工賃がついたもの」
 
そんなイメージを持っていました。
 
ところが、見学に行った就労継続支援B型事業所では、工賃は時給にして約500円とのことでした。
 
リハビリついでに、ちょっとお金がもらえる的な考えだった私からすれば、驚きの金額です。
 
そこで工賃の仕組みについて、さらに詳しく聞いてみました。
 
 
 

工賃の時給は「事業所がこなした仕事の報酬金額 ÷ 利用者数 ÷ 利用者労働時間」で決まる

よくよく聞いてみたところ、工賃というのは、各事業所によって、まったく異なることも多いそうです。
 
簡単に言うと、
 
  • 高度な仕事ができる利用者が多い事業所では工賃が高い
  • 単純作業や実質作業ができない利用者が多い事業所では工賃が安い
ということです。
 
就労継続支援B型事業所で利用者が行う仕事は、基本的に事業所の職員が営業に行き、受注(仕事を取ってくる)してくるものだそうです。
(中には定期受注という形をとっている事業所もあるようです)
 
この営業で仕事を受注する時、高度な仕事ができる利用者が多い事業所であれば、「高い仕事」(イヤな言い方でごめんなさい)を受注することが可能です。
 
逆に、単純作業や実質作業ができない利用者が多い事業所であれば、「高い仕事」を受注することはできません。
 
仮に「高い仕事」を受注してきても、事業所の利用者がその仕事をこなせなければ意味がありませんし、負荷の高い労働が原因で体調を崩したり、怪我をすることがあってはならないからです。
 
結果的にこのような事業所では「安い仕事」(重ね重ねイヤな言い方でごめんなさい)しか受注することができない、というわけです。
 
そして、これらの受注した仕事を納品した際の報酬金額を、事業所の利用者数と、利用者が働いた時間で割れば、
工賃の時給が決まります。
 
事業所が受注した仕事の報酬金額 ÷ 利用者数 ÷ 利用者労働時間 = 工賃(時給)
 
※説明を簡単にするために、諸経費等は省略しています
 
このようなことから、
 
  • 高度な仕事ができる利用者が多い事業所 → 「高い仕事」をこなせる → 工賃が高い
  • 単純作業や実質作業ができない利用者が多い事業所 → 「安い仕事」しかこなせない → 工賃が安い
という違いが発生するそうです。
 
私が見学に行った事業所では、精神疾患の利用者のみで、症状も重度の人はいないようでした。
 
おそらく就労継続支援B型事業所の中では、ある程度高度な仕事をしている事業所になるのでしょう。
 
そのため、就労継続支援B型事業所でも、先のような高い工賃の支給が可能となるようです。
 
 

就労継続支援で働くには、お金がかかる

あとは「利用料」がかかる場合がある、というのも初耳でした。
 
詳しくは冒頭でご紹介した
 
 
という記事で説明していますが、簡単にいうと、
 
「就労継続支援」とは障害者が受けることができるサービスの一環なんです。
ボランティアではなく、有償のサービスです。
 
このようなサービスを受けるのですから、基本的に利用料を支払う必要があります。
 
世帯収入によって、この金額が安くなったり免除されたりすることもありますが、基本は利用料を支払うサービスであるという位置づけだそうです。
 
また、事業所によっては送迎バスやお昼代というものも実費としてかかってくるそうです。
 
そういったもろもろの支出を考慮に入れると、
 
お金を払って労働をする(手取りの収入0円)
 
ということもあるそうです。
 
 

見学した事業所の施設の詳細

施設は大きく2つのフロアに分かれていました。
 
片方は軽作業を行うフロア、もう片方はお菓子などの食品を扱うフロアでした。
 
初心者は軽作業からはじめるらしく、時折職員のレクチャーを受けながら、ラッピングや裁縫などの作業をしていました。
 
おそらくこちらの仕事が、事業所の職員が営業で受注した仕事のようでした。
 
大きな机ごとに異なる作業を黙々とやっている、そんな感じです。
 
お菓子を扱う部屋は、事業所の中でもベテランの利用者が焼き菓子を作っており、かなり本格的なものでした。
こちらもあまり無駄話などはなく、黙々と仕事をする感じでした。
 
就労継続支援B型事業所というと、もっとゆるい雰囲気をイメージしていたので、かなりかっちり仕事をしている、という印象でした。
 
この辺りが、就労支援B型事業所でも工賃が高いゆえんかな、という感じです。
 
開所は月~金曜日の9時~17時。
ただし毎日来る必要はなく、体調・症状に応じて職員と相談して来る日時を決めるそうです。
 
スタッフは5名、医療スタッフはなし、近くに提携の病院あり。
 
給食やお弁当の支給はなく、各自持ってくるか食べにいくそうです。
 
 

利用資格

精神疾患者のみの事業所でしたので、基本的な利用資格は、
 
  • 精神科に通院していること
  • 服薬管理ができていること
の二つ。
 
あとは事業所の職員との面接、役所の障害福祉課の職員との面接で、利用可能かどうかが判断されるようでした。
 
 

まとめ

このように、一口に就労継続支援B型といっても、実際は事業所により、利用資格・作業内容・工賃など、かなり違いがあるというのが、実情のようです。
 
そして、その違いを確かめる方法は見学が一番確実です。
これを怠ったがために、
 
「ゆっくりとリハビリを兼ねた作業をしたかったのに、せわしなく働きストレスがさらに増した」
 
「経済的に困っているため働き始めたのに、工賃がほとんどなく諸経費でマイナスになってしまった」
 
なんてこともありえます。
 
少々面倒ですが、自分に合った事業所が見つかるまで、一つずつ見学をしていくことが、自分に合った事業所を見つける近道だと思います。
 
皆さんがよい仕事場を見つけられることをお祈りしております。

geralt / Pixabay

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