うつ病で〇〇するには?

うつ病を子供に打ち明けるには-安心させてあげることが大切。説明はいらない

うつ病が悪化したため、会社を退職した時、私の子供は4才でした。
 
毎日会社に行っていたお父さんが、当分の間、家にいることになる。
 
もちろん子供に説明をする必要がありました。
 
どう説明しようか、非常に悩みました。
 
「お父さんは病気になって会社を辞めた」
 
これは特に問題なく説明できそうでした。
 
ただ、うつ病という病気だということを幼い子供にどうやって説明すればいいか?
 
かなりの難問でした。
 
 

なぜはぐらかさなかったか?

別の病名ではぐらかす、特に病名には触れない等々も一応検討しましたが、全て却下にしました。
 
「できるだけ正確に伝えたい」
 
そう思いました。
 
一つには、自分の子供には自分のことをきちんと知っていて欲しい、といういわば半利己的な思いから。
 
もう一つは、うつ病ということを知らなかったがために、子供が受ける影響のようなものが心配だったためです。
 
その頃、うつ病の絶不調の真っ只中だった私は、かなり気分の波が激しく、子供から見ても普通ではなかったと思います。
 
子供に対し、八つ当たりをしたり暴力を振るったりということは絶対にないよう注意していましたが、それでも不機嫌で怒りっぽかったり、かと思えば子供に無関心なほど落ち込むということは多々ありました。
 
このような私の負の感情や行動の影響を子供が受けないようにするには、私のうつ病が回復すればいいわけですが、私のうつ病はいつ回復するかわかりません。
 
であれば、次善の策として、
 
「お父さんはうつ病という病気だから、たまにあんなふうになるんだよ」
 
ということを伝えたかったわけです。
 
(別居するという選択肢もありましたが、まぁ最後の切り札でしたので)
 

説明してみたが効果なし

まずは簡単な言葉で説明してみました。
 
「お父さんはね、すごく悲しくなる病気なんだ」
 
「ふーん」
 
反応薄く、分かったのか分かっていないのか。
多分分かってなかったんだと思います。
 
「お父さん、すごく怒るときあるだろ?あれも病気なんだ」
 
「うん」
 
具体例を入れてみましたが、手ごたえ薄し。
 
何というか、病気と感情という概念が結びつかないんですね。
考えてみれば、大人でも理解できない人多いんですから、当たり前といえば当たり前ですが。
 
ただ、私のうつ病は確実に子供に影響を与えていたようでした。
 
通っていた保育園で連日、給食の皿を投げ、急に大声を出し、保育園の先生から呼び出され、注意を受ける。
 
そんな日々が続いていました。
 

病気の説明はどうでもよかった

ある日、図書館に行った時、新書のコーナーに絵本が置いてありました。
 
普段なら絵本はスルーでしたが、絵本の題名の一部に「うつ」の文字が見えたため、手にとって読んでみました。 
 
 
『ボクのせいかも・・・・・・: ―お母さんがうつ病になったの―』 ゆまに書房
 
その場で全て読み、そして自分のばかさ加減に改めて気づきました。
 
私は子供に説明をする時、
 
「うつ病とはこのような病気なんだよ」
 
ということを懸命に理解させようとしていました。
 
でも、そんなことはどうでもよかったんです。
 
本当に伝えるべきは
 
「お父さんが怒ったり悲しくなったりするのは、お前のせいじゃないんだよ」
 
お前のせいじゃないんだよ、この一言だけでよかったんです。
 
子供が不安定になるのは、自分に非があると思うから。
 
私自身の幼少期に何度も味わった経験です。
 
あのどうしようもなく嫌な思い。
あの思いを子供にさせていたんだと思うと、本当に自分が情けなくなりました。
 

子供と絵本を読んでみた

図書館からその絵本を借りてきて、まず妻と一緒に読み、その後、子供と一緒に読みました。
 
主人公の男の子の名前はスカイ。
 
いつも明るかったお母さんが、元気がなくなり、泣いてばかり。
スカイの相手もしてくれない。
 
スカイは毎日「ボクが悪い子だからお母さんが変になった」と自分を責め続けます。
 
そんなある日、お父さんがスカイを呼んで
 
「お母さんはうつという病気になったから元気がない、スカイのせいじゃない」
 
と伝えてあげる。
 
スカイは自分のせいじゃなかったことと、お母さんはゆっくり休めば元気になることが分かって、とてもうれしかった。
 
そんな内容の本でした。
 
子供と一緒に読んだ後、
 
「うちはお父さんがうつ病になったけど、〇〇(←子供の名前)のせいじゃないからね」
 
と伝えました。
 
 

まとめ

子供に精神疾患を伝えることは非常に難しいです。
 
ただ、重要なことは、精神疾患を伝えることではありません。
 
いつもと違う不穏な空気というものに子供は非常に敏感です。
 
「理由は分からないし、尋ねてもいけない感じ」
 
その矛先が子ども自身に向かないよう、
 
「お前のせいじゃないんだよ」
 
そう伝え、安心させるために理由を伝える。
 
その理由が「うつ病」という名前だった、それだけです。
 
子供にうつ病を理解させる方法なんてありません。
でも子供を安心させる方法ならたくさんあります。
 
それを一番知っているのは、親である自分なんですね。
安心させてあげられれば、親がうつ病でも子供は幸せだと思います。
 

おまけ。「家族のこころの病気を子どもに伝える絵本」シリーズ

今回ご紹介した本は「ぷるすあるは(プルスアルハ)」というNPO法人が執筆したものです。
 
この「ぷるすあるは(プルスアルハ)」は、「家族のこころの病気を子どもに伝える絵本」シリーズとして、統合失調症やアルコール依存症に関する絵本も出しています。
 
非常に分かりやすく役に立つので、あわせてご紹介いたします。
 

ElisaRiva / Pixabay

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